ふと、会いたくなる人…
物語の中心は、先祖代々の畑を守り続けてきた小林ムツさん。
秩父の山深い村に暮らす小林ムツさんは、夫の小林公一さんと共に
丹精込めた、だんだん畑をひとつまたひとつと閉じ
そこに花を植えました。その数、一万本以上。ムツさんは言う。
『長い間お世話になった畑が荒れ果てていくのは申し訳ない…。』
『せめて花を咲かせて、ふるさとを山に還したい…。』
それはまるで、ふるさとに花を手向け
終わり支度をしているかのように思えた。
夫婦が心がけていたのは
『いつか、誰も世話をする人がいなくなっても咲く、花を育てること。』
『人も花も、老いて枯れる時が来ても、いのちが次に引き継がれるように…。』
暮らす人が、年々少なくなる小さな村は
春、色とりどりの花に包まれるようになった。
潤いの雨を受けて紫陽花が咲き
秋は、苗木の時から夫婦で育てた、もみじが彩る。
『いつか人が、山に戻ってきたとき
花が咲いていたら、どんなにうれしかろう。』
柔らかな笑顔でムツさんはそう言った。
でもやがて、辛い出来事が…
『人生なんてあっという間…』
『あきらめなければ自分が倒れてしまう…』
でも本当は…?
『ここにいたいんだ…。』
これは、ふるさとに花を植え続けた夫婦と小さな村の物語
また会いに行きますね…
※上映スケジュールについては新型コロナウイルス感染症の影響により
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